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ブリッツスケーリング論:急成長中の企業における今後の発展・課題やその対策

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力強く成長し続けていてうまくいっている企業について、今後陥りやすい失敗の例や適切な予防策

 

「スタートアップが急拡大する際に何が起こり、どう対処すべきか」 における、 「ブリッツスケーリング」についてです。 ブリッツスケーリングしているスタートアップの方には、経営陣でも社員でも、かなりおすすめです。若干矛盾があったりストーリーで語られている部分もありますが、経験からの示唆に富んでいます。 以下で、抜粋コメントしていきますが、かなり長くなってしまいました。。 ブリッツスケーリングの5つのステージ スタートアップのブリッツスケーリングは単純な外挿法のプロセスではない。みすぼらしいガレージから出発した会社の規模が1000倍になり、モダンな高層ビルに本社が移ってめでたしめでたしというストーリーではすまないのだ。ブリッツスケーリングによる成長には大きな節目がいくつもあり、そのつど会社は質・量とも根本的に変化しなければならない。ドロップボックスのドリュー・ハウストンは私にこのことを「新しい駒が次々に追加され、次元も増えていくチェスのようなものです」と説明した。 物理学では、よく相変化ということを言う。物質は温度、圧力の変化に応じて全く違う状態に変わる。氷は溶けて水となり、水は沸騰して蒸気になる。 スタートアップもある状態から全く異なる状態に相転移することがある。相が変化すればことは同じように運ばない。氷が溶ければスケートはできない。水が水蒸気になれば小石を投げて水面で水切りするわけにはいかない。スケールアップが次のフェーズに達すると、以前のフェーズで有効だったアプローチやプロセスが無効となる。 5つのステージというのは、家族(1­9)、部族(数十)、村(数百)、都市(数千)、国家(万以上)としていて、まさにAMELAは村ステージ初期の会社であると言えます。 ブリッツスケーリングを実行する企業がまず直面するのは、人材獲得という課題だ。社員数が毎年3倍になることは珍しくない。このため普通の成長企業とは根本的に異なるアプローチが必要になる。成長が年間 15 パーセントなら完璧にフィットする人材を発見し、企業文化を確立する余裕があるだろう。この後に詳しく説明したいが、ブリッツスケーリング中の企業は数々の常識外れな経験をすることになる。急速な成長により組織は一変する。「そこそこ」の人材で我慢しなければならない。まだ不完全でアラが目立つプロダクトをリリースしなければならない。顧客は怒り狂い、会社は炎上するかもしれない。 本当にその通りで、各ステージを乗り越えるときに前ステージとは違う人材や考え方が必要になってきますが、それに気づかない、気づいてもどう解決すればよいのか分からない、ということが頻繁に起こります。まさにCEOおよび経営陣の限界が会社の限界になってきます。 実際、ブリッツスケーリングは会社が市場の限界に達したときには危険ですらある。市場の伸びしろがなくなったとき、それまで成長を支えてきたスピードと勢いは市場の天井に激突して停止する。市場に伸びしろがなくなるときによく見られる症状といえば、成長の急激な鈍化、そして内部抗争だ。成長が続くことに慣れ切ったマネジャーや投資家は、「何がおかしくなったんだ」「誰の責任だ」などと言い始める。根本的な原因を会社がわからないとき、いちばんよく見られる(かつ役に立たない)行動は、CEOまたは経営チーム、あるいは両方を変えることだ。営業担当副社長は成長鈍化の責任を取らされることが多いので、特に狙われやすい。CEOの交代で大幅な成長が復活したことが、かつてあっただろうか。唯一思い浮かぶ好例といえば、スティーブ・ジョブズがアップルで行ったことくらいだ。だから、もしスティーブ・ジョブズが脇に控えているのならCEOを交代させればいい。そうでなければ、おそらくムダなことだ。 原因と結果を間違えないようにしたいですね。あと大きくなればなるほど、事業の難易度はあがります。ただ成功した場合は果実は大きい。どの会社も大きく投資をし、それに一時期は批判が集まります。ただ、それに成功する会社が次のステージに行けるということを忘れてはいけません。投資せずして次のステージに行くのはできません。 第4ステージ(都市サイズ) 創業者は高度なレベルで組織の目的と戦略を決定する必要がある。創業者の役割は重大で戦略的な決定をすることだ。こうした決定は日々の業務にもいわば戦術的な影響を与えるだろうが、それに対処するのは部下のマネジャーの業務だ。フェイスブックの場合、マーク・ザッカーバーグが下した重大で戦略的な決断はフェイスブックのモバイル化を最優先するために新機能の追加を2年近く一切停止したことだ。2012年にザッカーバーグがこの勇気ある決断をしたとき、フェイスブックは社員4000人を抱え、まさに「都市」ステージにあった。ザッカーバーグは自分でモバイル化のためのデベロッパーを採用したわけではないし、モバイルアプリをデザインしたわけでもない。しかし、方向を決め、責任を負ったのはザッカーバーグだった。 まさに都市スケールの僕の経営人生ではこういう経営になってきていると感じます。 ファミリーステージでは、チーム全員があらゆる重要事項の決定に関与する。村(ビレッジ)ステージ以降になると、このやり方はほぼ不可能になる。社員は自分たちが直接かかわるチームや分野に付いていくだけで精一杯になり、ほかの部門の業務はほとんどわからなくなる。中途入社した社員はあたり前だと思っても、初期からの社員はこの変化に当惑し、インサイダーだった自分たちが今はアウトサイダーのように扱われていると感じてしまう。この問題にはどう対処すればよいだろうか? 答えは、社員をあらゆる決定に関与させないことだ。それは不適切だし、運用上も不可能であるからだ。 この問題は僕の経営人生でもあって、何度か「今となってはすべてのひとがすべてのことに関わることはできません。自分の仕事に集中しましょう」というメッセージは発してきた覚えがあります。 一方、スペシャリストは重要な役割を担う。リンクトインの元最高人事責任者、パット・ワドーズを見てみよう。ワドーズは2013年に都市ステージにあったリンクトインに入社し、国家ステージへと導いた(最近はリンクトインを離れ、僕の友だちで元イーベイCEO、ジョン・ドナホーのいるサービスナウに加わった。つまり、都市ステージへ逆戻り!)。コーラーと同じくワドーズも聡明で才能豊かであり、バイアコム、メルク、ヤフー、プラントロニクスなどの大手企業の人事担当を務めたスペシャリストだった。都市ステージや国家ステージの会社で重要な任務を指揮するには、その領域の深い専門知識が必要であり、それは賢いゼネラリストが数週間で「解明できる」ようなものではない。 都市ステージの僕の経営人生でも金融分野含めスペシャリストが必要な部門が出てきたので、必要な部門でスペシャリストの採用も進めてきました。 ゼネラリストの上司の後任にスペシャリストを配置すると、組織の士気を損ないかねない。ハーバード・ビジネス・スクールのランジェイ・グラティとアリシア・デサントラは「事業をスケールさせる4つの方策」(ハーバード・ビジネス・レビュー2016年3月号に掲載)に次のように書いている。「組織を動かすための専門知識は、初期の社員がすぐに身に着けられるものではない。組織をうまく動かすリーダー職は外部の人間へと移っていき、初期社員の不満は募っていく。初期からの社員の中には、役割が限定されることにいら立つ者もいるかもしれない。ゼネラリストの誰もがスペシャリストになれるわけではなく、なりたいとさえ思わないかもしれない。多くの人はいら立ち、貴重な人間関係や会社のミッションやカルチャーなど明文化されていない知識を抱えたまま会社を辞めていく」 「小さなチームから大きなチームへ」で検討した課題は、組織の外から幹部を採用しなければならないことだった。これは、自然発生的にリーダーになった初期社員を昇進させてきた企業にとっては、大きな方針転換となる。こういう組織でのマネジャーから幹部に役割を変えるのは、担当者からマネジャーになるよりはるかに難しい。 どの社員も、さまざまなスタイルや資質のマネジャーの下で働いてきたはずだ。昇進して初めてマネジャーになった社員は自分のマネジメントスタイルを構築するために、そういう体験を参考にすることができる。しかし、初めて幹部が必要になった組織の場合、内部昇進のマネジャーは以前の幹部の意見を生かせない。なぜなら幹部がいなかったからだ。ロールモデルはどこにもない。 われわれはこの状態を「標準的スタートアップ・リーダーシップ真空状態」と呼んでいる。この状態を経験した創業者は、幹部経験者を外部から採用して、社内になじませようと考える。しかし、組織のストレスが限界に達するまで創業者が採用を遅らせてしまうと、状況は悪化する。社内の緊張と不透明性が最大になっているときに、新しいリーダーがやって来ることになるからだ。これを乗り切るカギは開かれた心だ。インサイダーは幹部を外部から登用することについてオープンであるべきだし、アウトサイダーは入社前に起きたことを学習しようとオープンになるべきだ。 その際にこういった状況や問題は常に発生してきたし、今も発生しています。しかし、ブリッツスケーリングするにはやむを得ない部分もあります。 会社が村から都市、さらには国家へとステージを上げていくときも、常に幹部を採用する必要がある。成長によって前線のマネジャーの上にも階層が必要になること、また現在の幹部は必ずしも次のステージのスケーリングに必要な能力をもっていないからだ。しかし、ひとたびロールモデルやメンターの役割を果たす優れた幹部が社内に現れたら、その幹部と仕事をした経験がある将来有望なマネジャーを内部昇進させられるようになる。フェイスブックでは、シェリル・サンドバーグのような経験ある幹部を連れてくることが絶対的に必要だったが、現在のフェイスブックで重要なプロダクトを担当しているリーダーは、ほぼ全員が社内で訓練を積んできた。 一方で、内部登用の動きも増やしています。そのためにはAMELAらしいマネジメントの定義や育成も含めた人事制度が必要になっているので、いままさにここを作り変えているところです。 買収は、国家ステージの作戦の中で攻守を兼ねた最大の効果がある戦法だ。重要な買収によって、買い手がどのように市場を獲得できるか考えてみよう。ユーチューブ、インスタグラム、ワッツアップの買収はいずれも守りと攻めの効果があった。ユーチューブを買収したことでグーグルは、グーグル・ビデオ・プロジェクトの失敗を取り戻しただけでなく、ユーチューブがマイクロソフトなどのライバルの手に渡るのを防いだ。インスタグラムとワッツアップの買収は、フェイスブックをモバイルによる侵略から守っただけでなく、フェイスブックをモバイルのリーダーにした。 国家ステージの会社は大胆な買収も考えていかなければならない。 「なにがなんでも成長」の時代から、「責任を伴う成長」の時代に移り、われわれのカルチャーを進化させる必要がある。すべてを捨てるのではなく、うまくいっているものは残し、そうでないものは変えることに集中する。 会社が都市(シティ)または国家(ネーション)ステージに到達すると、既存企業としての責任を負う必要があり、それは挑戦者の責任とは大きく異なる。どの問題を後で修正できるか自問したことを覚えているだろうか? その「後で」がやって来たわけだ。あなたがそれまで多様性、法令遵守、社会的正義などの問題を無視していたとしても、今やあらゆる目が自分に向けられ、責任ある市民のお手本になるよう期待されていることを理解する必要がある。加えて、こうした責任に早くから積極的に取り組まないと、将来には受動的に取り組まなくてはならなくなる。それはほぼ間違いなく高くつくし、痛みも大きい。好むと好まざるとにかかわらず、会社が都市/国家ステージになったら、市長や大統領のように考え、己の利益だけでなく、人類全体のためにルールを決めなくてはならなくなる。 スタートアップは「なにがなんでも成長」を目指しているので、この求められている変化に鈍感になりがちです。 賢い人たちと話をすれば、彼らの成功と失敗から学べるという意味だ。誰かの失敗から学ぶほうが簡単で痛みも少ない。私は新しい物事について学ぶとき、もちろんそのテーマの本を読み漁るが、その分野で有数の専門家を見つけて話をして補っている。 重要な点の第一は、常に学び続けることだ。良い点でもあり悪い点でもあるが、あらゆる物事が急速に変化する現代にあっては、「専門家」は存在しない。これほど変化が激しい分野では 10 年以上の経験などはもちようがない。ライバルに比べて学習曲線を登るのがわずかに速いというだけで、巨大な価値を築くチャンスが生まれる。シンプルで具体的な成功を約束するルールを提示できれば理想的だが、向こう数年でさえ変化は広い範囲で起きると予想される。まして何十年先まで射程があるような成功への包括的な法則など誰が描けるだろうか? 変化こそが唯一の不変のものという世界にあっては「常に学ぶ」ことこそ適応への最良の道だ。 「常に学ぶ」性質は優れた人材に共通しているなと最近強く思います。 部族ステージや村ステージの成長に見合う速さで社員を増やすときは、ほかのステージ以上に組織的な手法で多様性を確保しなければならない。少なくとも3つの重要なポリシーを制定することを推奨する。第一に、社員の人口動態を調べ、その情報を社内にも社外にも隠さず公開する。どんな分析でもそうだが、測定していないものは管理できない。第二に、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のルーニー・ルールと同等のしくみを導入する。NFLチームは球団運営の上級職を採用する際、少なくともひとりのマイノリティの候補と面接する(必ずしも雇わなくてよい)ことが義務付けられている。そして第三に、幹部報酬の少なくとも一部を、多様性に関する会社目標の達成度と連動させる。 ダイバーシティの確保は会社でも非常に力を入れてやっているところです。日本においては外国人の採用はうまくいっていますが、それ以外はまだまだです。 常に最初に反応する者となる必要がある。新しいテクノロジーやトレンドが現れたとき、われわれは往々にして自分の居場所を見失い、思考を麻痺させてしまう。これでは行動せずに変化を眺めているだけになる。不確実さをものともせず行動する者、しかも素早く行動する者がわずかの時間差とは不釣り合いなほど巨大なチャンスを得るのだ。これがブリッツスケーリングだ。ブリッツスケーリングを実行できる企業、マーケットを探さねばならない。成長とチャンスはそこにある。 最後に、やや逆説的に聞こえるかもしれないが、不確実性に立ち向かうためには安定性が必要だ。なにもかもが変化する世界では、人は何か確実なものを求める。嵐の中でこそ冷静さと確固たる指導力を保つことが重要となる。混乱の中で不安にかられた人々は、自然にそうした人々にリーダーとして従うようになる。 AMELAで言えば、新規事業や社員の皆んなが次のブリッツスケーリングだと考えているということだし、その土台になっているものは株主および経営陣の器ということになってくるのでしょう。

 

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