社内ポータルの作り方!具体的な作り方と入れるべき機能まとめ
現在、多くの企業で社内システムを複数利用しています。
色々なクラウドサービスなどが登場し、私達の業務を効率化してくれていることでしょう。
そんな中で、社内ポータルを作ろうと思った事はないでしょうか。
今回は、そんな社内ポータルの作成方法を解説していきます。
Googleサイトなどの簡易的なポータルサイトの作成ではなく、社内でプログラミングをするための方法を解説していきます。
社内ポータルとは
社内ポータルとは、企業が自社の社員向けに提供するサイトの事です。
例えば、全社的に情報共有が必要な内容は、一昔前なら掲示板に張り出すなどの物理的な方法を取ったり、メールで一斉送信などをしていたかと思います。
こういった情報共有の新しい方法として、社内ポータルが注目されるようになりました。
社内ポータルは、クラウドサービスなども多数存在しますが、アカウント数に応じた費用がかかったり、必要な機能が搭載されていないなど、使い勝手が悪いと考える企業も多いでしょう。
そのため、この記事の後半では、具体的に自社で開発する方法を解説していきます。
社内ポータル導入のメリット
社内ポータル導入には、いくつかのメリットがあります。
情報を一元管理できる
1つ目のメリットは
「情報を一元管理できる」
ということです。
全社的に共有が必要なものや、社員が利用できるサービスなどを、複数導入している企業は多いです。
しかし、これらが増えてくると
「どこから入れるんだっけ」
という様に、見つからない事があります。
こういった情報が散見してくると、
「それを探す時間」
が発生し、業務効率を下げることになります。
そのため、
「何かあれば、とりあえずここを確認しよう」
という風に全社員が認識することが出来るようになります。
この様に、情報の一元管理が出来ることが社内ポータル導入のメリットです。
全社的な発信などの見逃し防止
社内ポータルで情報を一元管理していくと、全社員が
「まずは社内ポータルを確認する」
という癖がつくことは前述しました。
この癖が付けば、全社向けの情報発信の見逃しが防げます。
もちろん、メールやチャットなどと並行することで、より見逃し防止に繋がります。
業務の効率化
次に、業務の効率化が考えられます。
前述したように、情報を探す時間が減ることに加えて、例えば
「社内ポータルトップに、個人ごとに必要な情報を見れるようにする機能」
を付けたとします。
そうすると、営業マンであれば
・売上速報
・今週の売上集計
・予算と実績
などの情報を表示しておけば、いくつものサイトやファイルを開く必要はありませんし、人事であれば
・面談予定
・入社予定
・手続き予定
などのスケジュール類が出てくる様にカスタマイズすることもできます。
また、それぞれの情報を入力するシステムも内製化すれば、かなり効率的に業務が進められるでしょう。
知識や経験の集積
知識や経験の集積が出来る点も、社内ポータルのメリットです。
例えば、管理部に問い合わせが来たものを、Q&Aという形で、情報を載せていけば、今後同じ問い合わせが来る可能性が減ります。
多くの部署では、問い合わせが来た際に、その回答を本人に返すだけで、全社的に情報発信することがありません。
そのため、他の部署の人は同じ質問を何度もしてしまうのです。
こういった知識や経験などは、会社全体で共有していくと徐々に問い合わせ件数が減るため、お互いにメリットがあります。
それが実現できる方法として、社内ポータルがあるのです。
もちろん、情報共有という意味合いだけで言うなら、メールやチャットでも可能でしょう。
しかし、それを体系立てて提供できる点で、社内ポータルの方が有効であると考えられます。
社内ポータル内製化は可能?作り方
では、ここからは具体的に社内ポータルを内製化するための作り方を解説していきます。
社内ポータルの目的の決定
まずは、社内ポータルを作成する目的を決めます。
前述したように、いくつものメリットがあり、どれか1つに決めるのは難しいかもしれませんが、その優先順位をつけることが重要です。
例えば、
「社内コミュニケーションを活性化させる」
という目的でも良いですし、
「情報の一元管理」
でも良いです。
場合によっては
「社員の教育資料として情報をまとめる」
という目的でも良いでしょう。
これらの目的を決めることで、後述する機能の洗い出しにおいて、実装の優先度を決めることができます。
必要な機能の洗い出し・優先順位の作成
次に、必要な機能の洗い出しを行います。
必要な機能は、会社によっても部署によっても異なります。
そのため、今の業務のヒアリングや普段の業務の不満などを聞いていくことで、搭載するべき機能を決めていきます。
特に、こういったタイミングでしか聞けない
「業務の不満」
「業務が非効率だと思う部分」
「変えたいと思うルール」
を、現場レベルで聞いていくことは非常に重要です。
加えて、前述したように、社内ポータルの目的に合わせた優先順位を決めていきます。
優先度の決め方としては、緊急度と改善の影響範囲の広さから決めるのがおすすめです。
少数の人しか効果がないものや、多くの人が使うけど、その効果が数分レベルの効率化の場合には、優先度を下げる必要があります。
ただし、ここには例外があり
「根本的な企業の問題」
の場合には、優先して取り組む必要があります。
例えば、人数の少ない人事部や情報システム部などの部署は、1人退職してしまうだけでも、大きな痛手になります。
次の人を探す手間や、その人を教育する期間など、多くの時間が取られます。
反対に、情報システム部の離職を防ぐことができれば、他の部署の業務効率化に時間を避けるなど、派生して問題が解決する事もあるでしょう。
そういった深刻な問題に対しては、他の業務よりも緊急度を高く設定することが重要になるでしょう。
画面の階層構造を考える
次に、社内ポータルの画面構成を考えます。
まず大きなくくりとして
「部署単位で必要な機能をまとめるのか」
「用途によって機能をまとめるのか」
などの方向性を決めます。
例えば、
「人事部」→「申請書」→「入社手続き」
「情報システム部」→「申請書」→「社用スマホ依頼」
などの階層にしておくと、会社の組織を把握している人にはわかりやすい一方で、新しい人は探すのが難しいケースもあるでしょう。
どの手続きが、どの部署が担当していなければ探すのに苦労する可能性があるのです。
一方で、
「申請書」→「入社手続き」
「申請書」→「社用スマホ依頼」
のように、「申請」という用途からカテゴリ分けをすれば、誰にでもわかりやすい可能性があります。
ですが、この方法だと1つの階層に多くの情報が含まれる上、管理する部門も曖昧になります。
この様に、管理面と見つけやすさの両方から、最適な画面階層を考える必要があります。
また、階層が深くなればなるほど、ユーザーの利便性も下がるため、適切な範囲での設定が重要になります。
権限設定
次に、権限設定を考えます。
画面ごとに「触って良い人」を決める必要があります。
例えば個人の営業成績がインセンティブなどに反映される様な場合に、全社員に営業成績を見える状態にすると、場合によっては給料が推測される可能性があり、嫌悪感を示す人もいるでしょう。
他にも、人事が扱う情報などは、個人情報を含んでおり、限られた人しか閲覧できないようにする必要があります。
この様に、権限を考えておく必要があります。
技術選定
続いて、大まかな方向性が決まったら、作り方を考えていきます。
例えば、VB.netなどのアプリケーションをインストールするようなタイプのシステムか、ブラウザで見るようなWEBシステムか。
それにより利用する言語が変わってきます。
また、全社はPCのセットアップ時にセッティングが必要になるなどのデメリットもありますし、スマホでは見れないという問題もあります。
そのため、多くの企業ではWEBシステムを導入するのが良いでしょう。
その上で、どの様なフレームワークを利用するのかの選定が必要になります。
大まかな画面遷移の作成
システム開発の方向性が決まったら、まずは大まかな画面遷移を作成します。
各部署の要望などを取り入れ、前述した画面の階層構造に従って画面を作っていきます。
各ページの概要作成
次に、細かい作り込みよりも先に
「各ページの概要を作成する」
事を優先します。
例えば、その画面で見れるものの説明などの概要を記載しておくと、各機能が完成する前にリリースすることができますし、やろうとしている方向性が全社的に伝わります。
特に情報システム部などの間接部門の場合
「何をやっているのかわからない」
という問題があり、少しでも他部署に進捗を見せておくことが重要になります。
コンテンツを充実させる
大枠ができれば、後は徐々にコンテンツを充実させていく事で、社内ポータルが充実していきます。
この時に、各部署で更新するべき内容があれば、管理者画面を用意するなどすれば、複数人でコンテンツを充実させることが出来るため、非常に効率が良くなります。
社内ポータルの内製化におすすめの機能
さて、ここでは社内ポータルを内製化する上でのおすすめ機能を解説していきます。
グループウェア的な意味合いも含まれますが、情報を一元管理していく意味合いでもおすすめです。
ニュース
社内ポータルとしておすすめの機能の1つ目は、「ニュース」です。
新入社員の入社状況や、売上情報などの業務的な内容から、ちょっとした個人のニュースも上げていくことで、社内のコミュニケーションが増える可能性があります。
社員同士のちょっとした話題にもなるなど、多くのメリットが考えられます。
掲示板
次に、掲示板機能です。
匿名か、非匿名かは用途次第ですが、
「気軽にコミュニケーションを取れる場所」
があるのは、社内ポータルを作成する1つのメリットと言えます。
更に、特定の話題に関しての掲示板を立てる事で、全社的に情報を集めることができます。
簡易チャット
掲示板とは別に、個々でのチャットのやり取りが出来る機能もおすすめです。
多くの会社ではGoogleやマイクロソフトのチャットを利用しているかと思いますが、社内ポータルのチャット機能を付ける事で、そこから直接タスクを管理する機能など、他の社内ポータルの機能と連動させることも可能です。
実際に、過去に取引のあった企業様の中には、Googleなどのチャットよりも、社内ポータルのチャットが主流になっているところもありました。
内製化する上では、添付資料などの共有の仕方や、他のシステムとの連携の取りやすさを考慮すれば、一般的なチャットよりも業務効率が上がる可能性があります。
この時に重要なのは
「連絡方法が複数あると、特定の方法は見逃される可能性がある」
ということです。
このあたりをクリアできれば、社内ポータルにチャット機能を持たせるのは、非常に有意義だと考えられます。
データ集計
社内ポータルを内製する時の大きなメリットとして
「既存の基幹システムなどとの連携が可能」
という点です。
例えば、売上や在庫状況等、業務をこなす上で必要な情報は多々あります。
しかし、実際にはそれらのデータを活かして業務ができている企業は少ないです。
こういった情報を集計・分析したものを社内ポータルに載せる事で、売上アップが狙えます。
また、社内ポータルを見れば欲しい情報が全て得られるという認識が拡がってくれば、
「〇〇の情報も載せて欲しい」
というように、従業員が積極的になってくれる可能性があります。
個人タスク管理
個人タスクの管理ツールを社内ポータルに追加することで、業務効率化の可能性があります。
例えば、BtoBのビジネスにおいて、
「ショールームの接客履歴を元に、自動的に担当営業マンに次のアクションのタスクを追加する」
などのように、複数部署をまたがったタスク登録などの機能を入れると、余計なやり取りがなくても、次のアクションに移せる可能性があります。
自分でタスク登録をする以外にも、こういった他システムの情報を元にタスクを自動登録する機能などは、業務効率化に適していると言えます。
ナレッジ蓄積機能
社内ポータルを作る上で、
「ナレッジの蓄積」
は、非常に有効です。
例えば、問い合わせと回答のセットをQ&Aの様な形で公開することで、同じ質問が何度も来ないようにできます。
他にも、商品情報などの全社員が共有しておくべき情報においても
「昔からいる社員しか知らない」
という事があれば、その人の退職で情報が失われる可能性があります。
特に長期間使うような商品で、すでに廃盤になった商品情報などは、ナレッジとして残っていない事も多く、お客様からの問い合わせに対応できない事があります。
こうした情報をきちんとナレッジとして蓄積させることで、企業として強い体制を整える事ができます。
ワークフロー
最近は、ワークフローシステムを導入している企業も多いですが、これを社内ポータルで実現することも可能です。
ワークフローシステムでは、承認ルートの設定と、申請のフォーマットの作成の難易度がそれなりに高いですが、一度作ってしまえば、長期的に利用することができ、それらのデータ分析も容易になるのでおすすめです。
社内ポータル開発はAMELAに
今回は、社内ポータルの作り方について見てきました。
社内ポータルを内製化していくことで、基幹システムとの連携や、その他のシステムとの連携が取りやすく、情報の集積という意味でも非常にメリットが多いです。
また、最近はクラウドサービスの中にも、APIを使った情報の登録・更新が出来るものも多くなってきました。
そういったシステムは、内製化した社内ポータルからでも更新が出来るため、既存のパッケージソフトとの連携もできることになります。
AMELAでは、大規模なシステム開発にも向いているオフショア開発を得意としています。
基本的な社内ポータルの骨組みを依頼いただいて、そこから御社内でカスタマイズをするなども可能ですので、是非一度ご相談いただければと思います。