マーケティングの効果を測定するのに必要なROIとは?
ビジネスを行う上で近年耳にする「ROI」ですが、良く知らない方も多いでしょう。また、似た言葉で「ROAS」といった言葉もあります。 この記事では、ROIとは何か概要を説明し、ROASとの違いにも触れて解説していきます。マーケティング領域の知識を深めたい方はぜひ参考にしてください。
ROIとは
ROI(Return On Investment)とは、マーケティング用語の1つで「投資利益率」を指す言葉です。 事業などに投資した費用に対して、どの程度の利益があったのか測定するための指標として活用されています。 ROIの数値が高ければ高いほど、投資費用に対する利益が大きいということになり、低ければ低いほど利益に繋がっていないと捉えることができます。 マーケティング分野では、このROIをどのくらいまで高めていけるのかが重要になってきます。
ROIの計算方法
ROIの計算式は以下のようになっています。 ROI=利益÷投資費用額×100 内容はシンプルで、利益と投資費用額が同じ場合はROIが100%となります。 ROIが80%なら利益以上に投資額があり、赤字になっていることを示します。逆に、ROIが120%と100%を上回った場合は、投資費用以上に高い効果を出していることが分かるでしょう。
「ROAS」とは?ROIとの違い
ROIと似た言葉で「ROAS」といったものがあります。 ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告費に関する売上比率を測るための指標です。 例えば、新商品の広告を公開して、売上が出たとします。その広告に出した費用に対して、どのくらいの売上をだすことができたのか表すものがROASとなります。 特にWeb広告の分野で利用される指標で、ランディングページやWebサイトを活用した施策が有名です。
ROASの計算方法
ROAS=広告で得た売上÷広告費×100 こちらもROIと同じく、広告による売り上げと広告費が同じになれば、ROASが100%となります。ただ、ROIと異なり売り上げベースの指標である点に注意です。 ROASの数値が100%であっても、しっかりと効果が出ているかは判断できません。広告のパフォーマンスの測定に利用しましょう。
ROIを利用する際の注意点
ROIはマーケティング活動をする上でとても重要な指標です。しかし、経営判断に利用する場合はいくつか注意点があります。 以下で詳しく解説します。
長期的な利益の評価には向いていない
新しい事業を始めた場合や、今進めているビジネスを成長させるためにマーケティング施策を検討する場合、初期費用が多く最初の段階で利益がでないことがよくあります。 短期的な利益では、ROIの数値が高くなる傾向がありますが、長期的なビジネスに関してはROIでの評価がしにくいといったデメリットがあります。
数値化できない利益の可視化が難しい
ROIに限った話ではありませんが、数値化できない利益や投資を見逃しやすいといった特徴があります。 「店内の空調を客足によって調整する」「ショップ内の照明を変更し明るい空間を意識した」などの施策は、数値指標として判断しずらく効果を可視化することが難しいです。
ROIを高めるためのポイント
ROIを高めるためにはいくつかポイントがあります。マーケティング施策ではとても重要なことなので、しっかり抑えておきましょう。
最適なタイミングで施策を実施する
マーケティング施策では実施するタイミングがとても大切です。 顧客の属性や傾向を分析し、「どの時期に」「どの場面で」「どのタイミングで」メッセージを送信するのか、詳細に検討する必要があります。 ユーザーの移動経路を意識し、各チャネルで適切なメッセージを配信することで、ROIを向上させることができるでしょう。
ターゲティングの確認をする
ROIを高めるためにターゲットの選定はかかせません。 自社サービスを求めているユーザーは誰なのか、どうしたらニーズを満たすことができるのか検討し、適切なターゲットへメッセージを送ることが重要です。 反対に、自社サービスを求めていないターゲットを対象から外すことでROIの向上に繋がります。数値に左右されるのは好ましくありませんが、指標として見る分には有効でしょう。
投資費用を下げることに注力する
ROIは投資に対する利益の割合を表す指標です。 そのため、以下に低い投資費用で利益を上げられるかがROIを高めるのに繋がります。 広告の場合は、広告媒体だけでなく大手メディアを利用した掲載方法など、さまざまな手法を検討することができます。 自社にサービスタイプに適した、費用対効果の高い手法を選んでマーケティングを行うことが大切です。
ROIに着目した経営で高いマーケティング効果を得られる
この記事ではROIについて詳しく解説しました。 投資利益率の指標として活用されるROIは、自社が公開した広告がどの程度の効果があったのか計算することができます。 「無駄な投資をしていないか」「高い効果を得られる施策が検討できたのか」など、詳細に数値を分析することで、最小コストで高い効果を得ることができます。 自社のマーケティング活動を向上させるにも、ROIに注目した施策の検討が大切です。
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