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なぜ棚卸しは必要?棚卸しの必要性とシステム化/注意点

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多くの企業には 「棚卸し」 があります。 特にメーカーであれば、商品や部品の在庫数の把握は、経営状況に大きく影響しますし、商社や小売業でも売り切れ商品を出してしまわないように、正確に在庫数を把握しておく必要があります。 私が見てきた企業の中には、月に1回というペースで棚卸しをしている企業も見られます。 では、そんな棚卸しはなぜ必要なのでしょうか。 また、棚卸しをシステム化することで、業務効率化を図る際にはどのような注意が必要なのでしょうか。 今回はほとんどの企業が直面するであろう「棚卸し」について見ていこうと思います。

棚卸しはなぜ必要?

棚卸しはなぜ必要?

棚卸しはなぜ必要? まずはじめに、棚卸しの定義や必要性について見ていきます。

棚卸しとは

棚卸しとは、資産の数量や金額を確認する作業になります。 英語では、an inventory count(アン・インヴェントリ・カウント)やStocktaking(ストックテイキング)とも言われますが、どちらも在庫数量を確認する事を意味しています。 ちなみに、「棚卸し」と「棚卸」という表現が混在している事がありますが、国税庁のサイトでは「棚卸し」に統一されています。

棚卸しが必要な理由

では、どうして棚卸しが必要になるのでしょうか。 極端な話になりますが、 「商品の在庫切れさえ起きなければ良いのではないか」 と考える人もいるのではないでしょうか。 そうなると、売り場が整理されていれば、棚の残り数が少なそうな商品だけを確認する・・・という非常に短時間の業務で終わります。 しかし、半年に1回/3ヶ月に1回、企業によっては毎月のように全商品の在庫数をチェックします。 これにはどのような意味があるのでしょうか。

現状の資産の把握

 

棚卸しで重要なのは、現状の資産の把握です。 ビジネスでは、資産と負債の把握は非常に重要なことです。 例えば、新しい商品を発売するか否かに関しても、資産が無く、負債が大きい状態で行うにはリスクがあります。 設備投資も同様に資産状況によって変わるでしょう。 このように、大きな経営判断をする上で、会社の数字は非常に重要であり、その重要な指標の内の1つに資産状況・在庫金額が含まれるわけです。

 

在庫補充

 

必要な在庫の補充も、棚卸しを行う上で重要なポイントになります。 売れるタイミングで商品の在庫が足りなければ、機会損失となり、会社の経営にも大きな影響を与えます。 そのため、きちんと在庫の補充を行う必要があるのです。 反対に、在庫が足りないものだけではなく 「長い期間残っているモノ」 も重要です。 消費期限や使用期限があるものに関しては、品質管理の点からチェックが必要ですし、 「長期的に出ていない商品 = 廃盤にするべき商品」 ということになります。 それを把握するためにも、棚卸しが重要になってくるのです。

 

システムとの誤差チェック

 

多くの企業では、生産管理システムや販売管理システムにて在庫を管理しています。 この「システム上の在庫数」を「理論在庫」と言います。 反対に、棚卸しで数えた在庫数は「実在庫」と言われ、これらは長期間システムを運用していると数値がずれてきます。 この誤差を正す事が棚卸しが必要なシステム的理由になります。

 

なぜ棚卸しの数値に誤差が出るのか

なぜ棚卸しの数値に誤差が出るのか

なぜ棚卸しの数値に誤差が出るのか では、なぜ棚卸しの数値が理論在庫と実在庫でずれてくるのでしょうか。

入力ミス/入力漏れ/重複入力

入力ミスや入力漏れ、重複入力によって理論在庫がずれることは多いです。 例えば、 ・商品を倉庫から店舗に持ってきたのに、それをシステムで入力するのを忘れていた ・他の課で使用するからと貸し出したのに、その手続をしていなかった ・新しく商品が入荷した際に、数量を打ち間違えた ・バーコード入力で同じ商品が連続して2回入力されてしまっていた などが考えられます。 このような人為的なミスが最も多いのではないかと感じています。

入出庫作業ミス

次に、入出庫時の作業ミスが考えられます。 例えば、業者に商品を依頼し、明細をもらったものの、入庫時に実際の数量を数えていなかったとします。 明細を元にシステムへ入庫処理をする際に、明細と実際の数量が違っていた場合には、理論在庫との差が生じます。 しかし、商品点数が数百・数千となった場合や、毎日のように大量に商品が入庫される場合など、データとしてもらった明細を信用してしまうケースも少なくありません。 このように自社の従業員だけではなく、他社の従業員のミスでも在庫差異は発生するのです。

万引きや横領/横流しの犯罪行為

通常、商品が売れてレジ機で入力をすると、自動的に在庫から差し引かれるようにシステムは作られています。 しかし、万引きや横領が行われていた場合、レジを通すことはありませんので、当然在庫差異が生じます。 これらは、未然に防ぐ方法があれば良いですが、対策としても ・ビデオカメラで常に確認する ・棚卸し倉庫を細分化し、各担当者がしっかりと在庫管理をする といった方法でしか避けることが難しいと言わざるを得ないでしょう。

棚卸しをシステム化するには?

棚卸しをシステム化するには?

棚卸しをシステム化するには? 棚卸しをシステム化することで、少しでも業務負担を減らしたいと考えている企業は多いでしょう。 私が見てきた企業の中には、印刷された紙を元に、手書きで正の字を書いてカウントしている企業もありました。 更に、その企業は毎月棚卸しを行っており、10人以上2日かけて棚卸しを行っていました。 それだけでも、月の1割程度の労働力を割いてしまっているということになり、非常に効率が悪いです。 では、どのようにシステム化すれば良いのでしょうか。

在庫管理システム/販売管理システム

根本となる在庫管理・販売管理のシステムを導入することが大前提になります。 このときの注意点としては下記のようなものが考えられます。

倉庫の細分化

 

倉庫の単位を細分化し、各担当者がきちんと責任を持って在庫管理をすることで、前述したように横領や横流しのリスクを減らすことができるでしょう。 全社 →エリア →→支店 →→→担当者 のような形で、階層的に在庫数量や在庫金額を把握できるようなシステムが理想的です。

 

「委託」「新品未開封」「検品」などの分類分け

 

業種によって必要な項目に分かれると思いますが、商品の管理上いくつかの分類に分けられるようなシステムの方が都合が良いです。 例えば、メーカーであれば自社負担で取引先に展示してもらう商品は、自社の在庫としてカウントする必要がありますが、取引先に買い取ってもらっている場合は自社管理の必要がありません。 返品で返ってきた商品を再販するのかといった点を管理する必要もありますし、アウトレット・セール品の在庫金額もきちんと把握しておく必要があります。 支店や担当者とは別に、こういった分類分けが出来るシステムを導入することが重要でしょう。

 

自社で利用するものの資産も管理

 

通常、PCなどの会社で利用する設備は、減価償却資産としてカウントされます。 「1年以上利用するもの」且つ「10万円以上のもの」が減価償却資産に分類されますが、これらの資産も同時に管理することが出来る方が良いでしょう。 多くの企業では、PCなどは情報システム部門が管理し、後は個別に管理している企業が多いかと思いますが、1つのシステムで一元管理できるものを選びましょう。

 

オンプレミスかAPI利用可能・CSVダウンロード可能なシステム

 

パッケージソフトの場合、 ・オンプレミス ・クラウド の2種類から導入方法を選択することになるかと思います。 最近は、通信環境が整ってきたため、クラウドサービスが主流になってきましたが、1つのデメリットとして「データベースを自由に参照できない」という事が挙げられます。 パッケージソフトの分析方法や集計方法は、どうしても汎用的なものばかりになります。 システムによっては、集計に力を入れていないソフトもあるでしょう。 そのため、データを自社で分析出来るようにする必要があります。 その方法としては、オンプレミスの場合は自社サーバーにデータベースがありますので、バッチ処理などで別のデータベースに定期的に移動させた上で社内開発すると、比較的簡単に集計が可能になります。 クラウドサービスの場合には、データベースを直接参照することは出来ません。 しかし、クラウドサービスを提供している企業がAPIを公開している場合には、そのAPIを利用してデータベースを参照することが出来るため、社内開発が可能になります。 どちらかが理想ですが、APIを公開していないクラウドサービスの場合には、最低でもCSVのダウンロード機能を持ったシステムを利用するのが良いでしょう。

 

バーコード

次に、バーコードでの管理になります。 バーコードは、後述するQRコードに比べると登録できる情報量が少なくなりますが、比較的安価で導入する事が出来ます。 因みに、バーコードは横一列の情報のみを参照する一次元コード、QRコードは縦横に情報が広がっている二次元コードと言われます。 情報量が少ないため、一般的には商品番号などの特定のコードのみを読み取る形になりますが、連続して読み取ることが容易なため、導入している企業も多いです。 また、バーコードをカラーにして、同じ一次元コードでありながら、QRコードよりも多くの情報をもたせることが出来るカメレオンコードも開発されるなど、今後更に発展する可能性があるでしょう。

QRコード

QRコードは、バーコードよりもたくさんの情報を入れることが出来るものになっています。 そのため、バーコードでは商品番号のみを入れていたのに対して、URLを直接QRコード内に入れることが可能になっています。 また、スマホなどの端末で読み込むことが出来るため、利用用途はかなり広いでしょう。 社内システムを内製する際にも、バーコードは専用のフォームを作り、読み取る用の専用端末を購入する必要がありますが、QRコードであれば、直接javaやPHPなどのWEB言語で処理を書いておけば、その処理に直接アクセスできるようにQRコードを作ることが出来ます。 そのため、比較的導入ハードルは低いと考えられます。 ただし、QRコードは読み間違いで大きなトラブルになる可能性もあるため、iPhoneなどでQRコードを読み取っても、 「このURLにアクセスしますか」 というメッセージが出るため、読み取る速度としてはバーコードに劣るなど、利用環境によって決めるのが良いでしょう。

RFID

RFIDとは、接触すること無くデータを読み取ることの出来る仕組みで、GUのレジで利用されるなどがわかりやすいでしょう。 レジスペースに商品を入れるだけで、その空間にある全てのRFIDを読み取り、精算します。 これと同様に、触れること無く在庫のチェックが出来るため、最も効率の良い在庫管理方法であると考えられます。 RFIDの読み取り機には、機械を向けた先数十メートルを読み取るガンタイプのものや、ゲートのような設置型のもの、前述のGUのレジのように、箱型のものなどがあります。 不必要に全ての情報を読み取る必要はないですから、読み取り範囲や用途に合わせて検討するのが良いでしょう。 個人的におすすめなのはガンタイプで、単に在庫管理に利用できるだけではなく、向けた方向の商品を検出できるという事は、商品の場所を探す際にある程度の方向を探せるなど用途が広いのが特徴です。

棚卸しをシステム化する際の注意点

棚卸しをシステム化する際の注意点

棚卸しをシステム化する際の注意点 棚卸しの際には、いくつかの注意点があります。

入力ミスをしにくい業務フローにする

どのような方法を利用したとしても、ヒューマンエラーの発生の可能性があります。 例えば、カウントした事を忘れて再カウントしてしまったり、複数人でカウントしている際に重複してしまったり。 このような入力ミスを減らすための業務フローを考えるのが重要でしょう。 例えば、 ・カウントする順番と流れ ・カウントする人とチェックする人に分ける ・先入れ先出しの徹底 などが考えられます。

棚卸し期間中は物の移動を控える

棚卸しの際の問題点としては 「棚卸しした商品とシステム的に差異があった時」 です。 差異の可能性は前述したようにいくつか考えられますが、大きく分けると 「システム側の数値が間違っているか」 「実在庫の方で数えられていない物があるか」 です。 仮に実在庫があるにも関わらず、カウント漏れだった場合には次回の棚卸しの際に出てきてしまい、逆に多くなってしまう危険性があります。 また、取引先に貸し出している物がカウント漏れしているなども多いでしょう。 その中で最も困るのが 「カウントしている最中に商品が移動される」 ということです。 通常棚卸しは、月末などの特定のタイミングの在庫数を切り抜いて比較する事が多いでしょうが、在庫数を参照している時点から現在までで、商品が移動してしまっていた場合、どうしても在庫数に差異が生じます。 そのため、棚卸し期間中には可能な限り物の移動は控えるべきでしょう。

倉庫を物理的に小分けにして在庫管理責任者を分ける

棚卸しでは、倉庫をいくつかに分けて、その倉庫ごとに責任者を決めることで、責任の所在をはっきりとさせることが重要です。 特定の部署・特定の担当者の差異があまりにも多い場合には、業務フローに問題があるか、横領などを疑わなくてはなりません。 しかし、全ての商品が一つの倉庫にまとまってしまい、責任者もあやふやな状態では、きちんと管理することが出来ません。 そのため、責任の所在をはっきりとさせることが重要なのです。

定期的な視察をする

私が見てきた企業の中には、会社から各営業マンに非常に対して厳しい数字を強要するところもありました。 そして、その数字の中には、売上だけではなく在庫金額の項目もあり、その結果在庫数をごまかす社員もいました。 もちろん、不正会計ですので、即座に改善したものの、根本的な原因は 「不良品率が高く、その責任が自社工場ではなく営業マンに責任転嫁される」 という社風だったため、不良品に対する制度を変えることで、棚卸しの誤魔化しの必要もなくなりました。 しかし、会社からの指摘が厳しい企業やこの企業の様に理不尽な制度が設けられている場合、棚卸しの誤魔化しが発生しても仕方ない可能性もあります。 そのため、根本的な原因の解消が前提になりますが、棚卸し在庫の定期的な視察があると良いでしょう。

ビジネスの成長のためには正確な棚卸しが必要!相談はAMELAに

ビジネスの成長のためには正確な棚卸しが必要!相談はAMELAに

ビジネスの成長のためには正確な棚卸しが必要!相談はAMELAに ビジネスを成長させるには、 「必要な部分に必要な在庫の補充」 を行うことが重要になってきます。 また、多くの商品を売ろうと思うと、それなりの在庫を持つ方が良いビジネスモデルも多いです。 特に日本は長いデフレが続いており、業界的にも薄利多売を強いられている業界は多いのではないでしょうか。 そうなってきた時に、 ・棚卸しにかかる時間 ・正確な在庫数の把握 が必要になってくるでしょう。 そのため、現状何もシステムの導入をしていない企業は、是非AMELAに相談下さい。 ビジネスモデルや現状の企業の情報を元に、最適なシステムの提案をするだけではなく、将来的なリスクを回避するための提案や、ビジネスを拡大するための提案をさせていただきます。 AMELAが通常のシステム会社よりも優れている点として、ITコンサルティングにも力を入れているという点です。 単にシステムを導入する・開発するだけではなく、ビジネス課題を解決するための最善なシステム提案をする。 もちろん、自社ですでに課題が明確になっている場合でも、それに合わせた提案を行います。 是非ともご用命ください。

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WRITTEN BY

otani

イメージはマスコミの情報に形成される。 そこで私たちを待っている幸福が、私たちが望むような幸福ではないかもしれない。

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