商品管理システムとは?必要な要素とメリット・デメリットまとめ
今の時代、様々なシステムが導入されていますが、機能の範囲が限定されている「特化システム」も多数存在します。
今回は、そんなシステムの1つである
「商品管理システム」
について解説していきます。
名前の通り、商品を管理するための仕組みですが、多数の機能を有しており、ビジネスに大きく貢献してくれる可能性のあるシステムでもあります。
商品管理システムとは
商品管理システムとは、その名前の通り
「商品の管理をするシステム」
です。
一般的には、サービス業ではなく商品を販売している小売やメーカーなどで利用されることが多いですが、場合によっては美容室などのサービス業でも、シャンプーやトリートメントなどの商品販売を行っているため、必要とされるケースがあります。
商品管理システムは、エクセルで管理している企業も多く、商品点数や在庫数などによっては、それでも対応可能ですが、後述する様に色々な機能があり、導入することには様々なメリットもあります。
商品管理システムに重要な要素
ここでは、商品管理システムにとって重要な5つの要素について解説していきます。
一般的な商品管理システムに存在する機能で、多くの企業にとって「導入の目的」に当たる内容になります。
在庫管理機能
商品管理システムの1つ目の機能が「在庫管理機能」です。
在庫管理機能では、
・在庫がどこに保管されているのか
・在庫がいくつ保管されているのか
・在庫の賞味期限や使用期限はいつか
などを管理します。
商品点数や在庫数が少ない企業の場合には、在庫数だけを管理しておけば良い場合もありますが、倉庫の広さが大きくなったり、商品点数が多い場合には、保管場所の管理も重要になります。
棚に番号を付け、その番号とリンクさせた情報を閲覧することで、ピッキングの効率を上げる事も可能です。
販売管理機能
商品管理システムの2つ目の機能は「販売管理機能」です。
販売管理機能は、在庫が減るタイミングの管理であり、
・誰に
・いつ
・いくつ
販売したのかを管理する機能となります。
BtoCのビジネスの場合には、ここに顧客管理システムを連携させることで、顧客のランク分けや過去の購入履歴の参照を行うことが可能になります。
購買管理機能
商品管理システムの3つ目の機能は、「購買管理機能」です。
これは、メーカーであれば、商品の材料を仕入れる際の金額を、小売業では商品の仕入れにかかる金額を管理していきます。
購買管理をすることで、販売管理の情報と合わせて
「どのくらいの利益が出たのか」
を把握することが可能です。
また、仕入先のキャパシティなどを把握することで、
「何日前に発注しておく必要があるのか」
などの情報を確認できるため、仕入れのコントロールをする上で重要な情報が得られます。
在庫分析機能
商品管理システムの4つ目の機能が「在庫分析機能」です。
在庫分析機能では、過去の商品の売れ行きなどを計算した上で、
・いつ仕入れをすれば良いか
・人気の商品がどれか
・一緒に買われやすい商品は何か
などの情報を分析することが出来ます。
例えば、売れる頻度が低い商品を倉庫の奥へ、売れる頻度が高い商品を倉庫の手前へ配置するだけでも、ピッキングの効率は上がります。
この様な情報を分析する機能が商品管理システムに付いている事が多いです。
原価管理機能
商品管理システムの5つ目の機能が「原価管理機能」です。
販売管理と購買管理の情報と合わせる必要がありますが、色々な情報から原価や利益を計算・管理するための機能です。
例えば、損益計算書では、利益を計算する際に
売上高 :商品の販売価格
売上総利益:売上高 ー 売上原価
営業利益 :売上総利益 ー 販売費・一般管理費
経常利益 :営業利益 ー 利払いなど
純利益 :経常利益 ー 法人税など
というように、いくつかの段階を踏んで計算されます。
これらの計算をする上でも、購買管理以外に、人件費などの計算も必要になります。
こういった情報を管理する機能が「原価管理機能」なのです。
商品管理システム導入のメリット
さて、続いて商品管理システムを導入するメリットについて解説していきます。
業務の効率化
商品管理システム導入の1つ目のメリットは「業務の効率化」です。
前述した例にはなりますが、在庫分析機能により売れるものと売れないものの分析をし、ピッキングしやすい配置にする事で、ピッキングの業務効率化は可能です。
他にも、蓄積したデータから、商品が売れやすい時期を計算して、季節性のある商品と通年で売れるものの場所を分けることでも、ピッキングの効率が上がる可能性があります。
また、原価の計算なども日々の入力によって自動で計算されるので、かなりの業務効率化が可能であると考えられます。
この様に、色々な角度から業務の効率化が可能です。
コスト削減
商品管理システム導入の2つ目のメリットは「コスト削減」です。
業務効率化による人件費の削減もそうですが、適切な在庫の管理ができると
「廃棄になる商品が減る」
というメリットがあります。
これは、使用期限などがある業界では特に重要で、使用期限を登録したり、入庫日から計算して大体の使用期限を計算するなどの方法で、廃棄率を下げることができます。
それ以外にも、商品の分析を行い、それをECサイトなどに反映させることで
「複数商品の購入を促し、配送料を削減する」
という施策を取ることも可能でしょう。
この様に、集積したデータの活用も含めると、かなり多くのコスト削減の施策が打てます。
適切な仕入れ・生産の管理
商品管理システム導入のメリット3つ目は「適切な仕入れ・生産の管理」ができることです。
購買管理では、どの仕入先からいくらで仕入れるのかという事を管理していきます。
例えばメーカーの場合、商品の原価の中で、どの材料の費用が高い比率を占めているかを確認できます。
比率が高い材料を、別の安い材料に置き換える事で、原価を下げるための施策を打つことができますし、複数の取引先を登録しておけば、各取引先での仕入額を管理する事で、適切な仕入先から商品を仕入れることができます。
商品分析
商品管理システム導入のメリット4つ目は「商品分析」です。
販売管理のデータで、商品の販売状況を把握することができます。
この情報を元に、売れる商品の傾向を把握したり、分析することで
「より良い商品開発」
ができる可能性が高いです。
一緒に買われる商品が決まっていれば、そこから需要を考えることも可能ですし、顧客管理システムと連携して、リピート客の特定や定期購入の時期の把握も可能になるでしょう。
データの可視化
商品管理システム導入のメリット5つ目は「データの可視化」ができることです。
原価や在庫数など、多くの情報を管理している商品管理システムですが、その情報を多くの社員が見れる状況にすることで
・自分が作った商品が売れているのが見てわかる
・新人でも在庫数を確認しながら生産ができる
・予約数を把握して、適切に生産スケジュールを作ることができる
など、現場に良い影響を与える事が多いです。
また、クラウドサービスなどを利用して、営業マンがリアルタイムな在庫情報を社外から確認することができれば、商談の際の機会損失を避ける事も出来るでしょう。
商品管理システム導入のデメリット
続いて、商品管理システム導入のデメリットを解説していきます。
一時的な作業負荷の増加
商品管理システム導入のデメリット1つ目は「一時的な作業負荷の増加」です。
どのようなシステムでも同様ですが、システムを導入する際には
「使い慣れるまでの負荷」
が大きくなります。
慣れないシステムに商品情報を入力していく作業は、作業者の負荷がかなり大きいです。
また、在庫管理のために、棚卸しを必要とするなど、普段の業務とシステム導入にあたってのタスクで、現場の一時的な負荷が増加してしまいます。
データの信頼性が担保できないことも
商品管理システム導入のデメリット2つ目は「データの信頼性が担保できないこともある」事です。
例えば、商品在庫数はメーカーの場合
・商品の完成数
・商品の販売数
・商品の予約販売数
・商品の廃棄数
・不良品などで返品された商品数
などが正確に登録されているからこそ、数字が把握できます。
これが、返品された商品を入力漏れしたり、何かの施策で商品を販売ではなくプレゼントしたような場合の登録が漏れていると、データの信頼性が失われます。
これは、「従業員が正確に、正しい情報の登録ができる」事が前提になっています。
もしもできない場合には、データの信頼性が担保できないというデメリットがあります。
その結果、本当は在庫がない商品が、システム上では在庫があるように見え、間違って販売してしまう・・・という可能性もあります。
導入費用・運用コスト
商品管理システム導入のデメリット3つ目は「導入費用・運用コスト」です。
商品管理システムは、様々な製品がありますが、それなりの機能が揃っているシステムは、非常に高価です。
特に、在庫分析などの分析機能が付いているものや、他のシステムとの連携のための機能が付いている場合には、かなりの費用が必要になります。
サービスによっては、「利用ライセンス数に応じて支払いが必要」なケースも有り、これらの費用面がデメリットでしょう。
既存業務をシステムに合わせる必要性
商品管理システム導入のデメリット4つ目は「既存業務をシステムに合わせる必要性がある」ということです。
基本的に、商品管理システムを導入する上で
「システムの仕様に対して、既存業務のやり方を変える」
必要があります。
例えば、商品の在庫管理として、これまでの管理では
「在庫が現在なくても、生産スケジュールに加えて、予約販売時までに間に合わせる」
というような運用をしていたとします。
しかし、導入した商品管理システムが
「商品在庫が0の場合には、購入登録ができない」
という仕様だった場合。
システム側を修正するのは難しい場合があります。
各ユーザーに合わせてカスタマイズできるサービスもありますが、それができない場合には、今の業務ルールを変更する必要があります。
特殊な仕様は再現が難しい場合も
商品管理システム導入のデメリット5つ目は「特殊な仕様は再現が難しい場合もある」ということです。
業界によっては、独自の仕様がある場合があります。
例えば、飲食などの加工において
「加熱によって水分が蒸発する事により、完成品の重量が材料の重量の総量よりも減る」
ということが起こります。
これを、重量変化率と言いますが、完成品の重さを計算して、それを製品個数として計算する場合には、この変化率が重要になります。
しかし、既存の商品管理システムでは、こういった特殊な仕様を再現できない可能性があります。
商品管理システムは内製が良い?パッケージソフトが良い?
商品管理システム導入のデメリットのところでも少し触れましたが、基本的にパッケージソフトの利用の際には、
「既存業務を製品の仕様に合わせる」
というのが一般的です。
しかし、場合によってはそれをしてしまうと、業務が回らない場合や、従業員の負荷が高くなりすぎるケースがあります。
他にも、システムのために新たにPCを購入したりすると、余計な費用が発生する可能性があります。
そういった時に、「商品管理システムの内製化」も1つの手段です。
内製化とは、自社でシステムを専用で作ってしまうことで、費用はかかるものの、特殊な仕様も再現できますし、最も適した形でのシステムを作ることができます。
また、パッケージソフトとは違い、デザイン変更などは社内で決められるため、急にデザインが変わって従業員のストレスになるなどもありません。
そのため、特殊な業界や特殊な事をしている企業は、内製化を検討してみても良いでしょう。
商品管理システムの開発はAMELAに
今回は、商品管理システムについて見てきました。
本文中でもお話したように、商品管理システムは特殊な仕様を再現しようと思うと、内製化を検討するのが良いケースもあります。
AMELAでは、オフショア開発をメインに、多数の業務システムを開発してきました。
オフショア開発では、人件費の安い海外のエンジニアを参画させることで、全体の開発コストを削減することが可能です。
そのため、ある程度大規模な商品管理システムを作る場合でも、それなりのコストで開発することが可能です。
DXにおいて、商品管理システムは非常に有効な手段であり、導入後のインパクトも大きいシステムと言えます。
是非一度、ご検討いただければと思います。